明日への扉
「コントの役割分担を発表しまーす。」


移動のバスの中、男子がマイクを使って話し出す。



最終日の夕食で、クラス毎に出し物をする事になっている。


うちは、お笑い大好きな男子が考えた、コントをやるらしい。



通行人役で、私の名前も呼ばれた。





そして、最終日。



「ねぇ、夕食の後、出し物でしょ? お風呂入る時間…ないよ。」



ホテルの部屋で一息ついてると、日程表を見ながら玲子が呟いた。



「えーっ!」


みんなで日程表に顔を寄せた。



一般の人もいるため、私達の入浴時間は決められている。


出し物が終わってからだと、30分くらいしかない。



「絶対混むよね、その時間。」



「よし、今から入ろう!」


純ちゃんが立ち上がる。



「でも今だって、そんなに時間ないよ。」



「今は少ないはずだよ、行くよ!」



その声に慌てて準備して、お風呂へ直行。





「ヤバイ! 集合時間に遅れると、怒られる!」


「髪、乾かす時間ないよ〜」


「仕方ない、行くよ!」



バタバタと着替え、髪の毛も濡れたまま、大広間へ走る。






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