明日への扉
「じゃあ、移動して。」



先生の声を合図に、自分の机を引きずって移動する。



自分の場所に行くと、篤史はもう座ってた。



私が、横に座っていいんだよね?



だって隣なんだもん。



堂々と、そばに居られるんだ。




『コトン』



彼の右側に、机をくっ付けた。



それだけでも緊張してくる。



うわっ、左が見られない!



身体がカチコチになって、腕を動かすだけで、ギギッと音がしそうだ。







「希! 近くだね。」



前の席から振り向いたのは、純ちゃん。



「わぁー!純ちゃんが前だったんだ!」



篤史の事でイッパイで、周りの人なんて見てなかった。




でも、純ちゃんのお陰で、少し力が抜けた。







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