ベイスボール
カウントはツーナッシング。


ここで千佳子は三球目、四球目とボール球を放った。


しかし、宮之阪は冷静にボールを選ぶ。


そして五球目。


遂に千佳子はインコース低めに練習を重ねて会得したSFFを放った。


SFFはストレートのスピードで宮之阪の手元で鋭く落ちた。


宮之阪は即座に対応するがボールがバットをすり抜けた。


千佳子は宮之阪から三振を奪った。


「やっ‥やったぁぁー!!」

千佳子はペタンと両膝を付き声を上げた。


千佳子の元へ野球部員達がお祭り騒ぎで駆け寄った。


「宮之阪‥。この経験を今後の糧にせぇよ。」


監督が宮之阪の腰をポンと叩いた。


「ええ。高校3年間対戦したピッチャーの中でアイツが1番の好投手でしたよ。」


宮之阪はニコッと笑い、ヘルメットとエルボーガードを外した。
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