ベイスボール
午前11時。桐原は学園中をホウキで掃いて回る。

正午になると桐原は手製の焼きそばパン(インスタント焼きそばを食パンで挟んだ物)を食べながら用務員室のテレビを付けた。


昼食を食べ終えた桐原はテレビを消して横になった。


カチカチと時計の音がこだまする。


「カチッ‥キンコーンカーンコ−ン!!」


桐原はチャイムの音に驚き腰を上げた。


午後1時20分。桐原は空き地に向かった。


雑草をひたすらむしり、小石をネコ車に積んだ。

午後3時30分。春の暖かい日差しに当てられながら桐原は雑草をむしった。


額からは汗が流れている。


野球は嫌い。しかし、野球が好きな人から野球を奪いたくない。その一心で小石を拾う。


午後4時。桐原はポロシャツに着替え、ジャージズボンを履き空き地へ向かった。


「おーい!!桐原先生!!遅いです!!」


空き地には佐野が待って居た。


2人は新入部員が来るまで雑草をむしった。


陽が徐々に落ちて行く。


午後7時。女子硬式野球部には新入部員どころか見学者も現れなかった。
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