Once again

初めて来た蘭の実家

初めて会った蘭の両親

初めて挨拶をした俺は…





「どうぞ、上がってください(笑)」

「すいません、お邪魔します」





笑顔で迎えてもらって
快く受け入れてもらって



―コンコン…

『は~い』

「っ…」





この瞬間…


ドアの向こうから聞こえた懐かしい声に
胸が締め付けられた





『誰~?』

「…俺」

『え…』

「晶…だけど」





ドキドキした…

本当今までで初めてってくらいのドキドキに…



―ガチャ…

「…仁くん」

「約束通り逢いに来た」

「っ…偉いじゃんっ(笑)」





ドアを開けてくれたのは背中を押してくれた友達


微かに声を震わせながら俺に…





「どーぞっ…」

「あぁ」





その向こうには…





『なん…』

「逢いに来た」

『…っ…』

「蘭に逢いたかったから逢いに来た」

「晶っ…」





ソファーに座って両手で顔を覆って
何度も俺を呼んでる


大事な愛しい蘭が…



―ギュッ…



「ごめん」

『っ…うぅっ…』

「もう一度…やり直して欲しい」

『ぅっ…うんっ…』

「ずっと傍にいるから」





俺は抱きしめた腕の中で
何度も頷いてる蘭の温もりを確かめながら





もう一度が叶った瞬間に

もう二度と離さないと…

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