Once again
それから半年が過ぎた
忙しい仕事の日々にも慣れてきた秋の始め頃
俺は久しぶりに蘭のいる街に帰ってきた
もちろん連絡は一切ない
完全に終わってた俺たち2人の関係…
だから周りの奴らも誰一人その事には触れず
楽しい時間を過ごしてて
「は?」
そんな中…
隣で飲んでたツレが
何とも言えない顔して告げた今の現実は
この半年間の俺の想いを一瞬にして…
「検査っ…て」
「たいした事ないらしいんだけど、何か原因不明の病気っぽいから詳しく調べ始めたらしいって」
「何だよ…それ」
「かなり無理してたから蘭のヤツ…お前と別れてから、ずっと」
「……」
「今まだ1人で頑張ってるけど…最悪、実家帰るかもな」
「そんなにヤバい病気なわけ?」
「だから今それを調べてんだって」
「そっ…か」
身体は健康な方だった…
どっちかって言えば
風邪とか引いたりするの俺の方が多くて…
だからそんな原因不明の病気とか意味わかんねぇって思った
「まだ好きなんだって、お前の事…だから1人で無理してんだよ」
「………」
この瞬間から…
忘れようとしてた想いが一気に動き始めていた