Once again

結局その日は

聞いた話を確かめる事ができないまま終わって


俺は次の日…

大阪に帰る事にした





「また来るわ」

「おう」

「んじゃ」

「…晶」

「なに?」

「詳しくわかったら連絡するから」





まだ今更って気持ちのが大きくて
逢いに行く勇気がなくて


現実を知るのが怖かった情けない自分に
勝てないままだったから





「…あぁ」





見送りに来てくれたツレに背を向けて
今の現実にも背を向けて


どーすればいいのか答えが出せないまま…


俺は蘭の街をあとにした





「…蘭」





半年前の最後の瞬間は…

俺たちが選んだ選択は
もしかしたら間違ってたのかもしれないと…


移りゆく季節の景色に
初めて後悔を感じていた





俺の中で笑ってる笑顔を
もう一度見たい…


'晶'って呼ぶ声を
もう一度聴きたい…


傍にいた温もりを
もう一度抱きしめたい…



俺たちが別れた日から
もう一度やり直したい…





「っ…蘭っ」





この時…

抑えきれない想いに



初めて………涙が溢れた

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