Once again
それからも止まらない季節は流れて…
新しい年を迎えて白い雪の景色を見て…
そんな1人きりの変わらない毎日が続く中
あと一歩が踏み出せずに
でも募る色々な想いに
俺の中は蘭の事だけで埋めつくされていた
―♪~♪~
「もし?」
「晶くん、久しぶり」
「おう、久しぶり」
「元気?」
「元気。お前は?」
「…あたしは元気」
この時かけてきた電話の相手は蘭の友達で
別れる選択を決めた俺を
ただ1人だけ間違ってると言った奴で…
「今あの子、実家にいるんだよね」
「え…」
「仕事すら出来ない状態まで悪化してて…」
雪の季節が終わる頃
蘭は自宅療養の日々を…
「とりあえず薬で完治を目指すって感じ」
「つーか、病気って…」
「指定難病って知ってる?」
「まぁ…何となく」
「完全な治療方が見つかってない病気なの…蘭がかかってる病気って」
「…まぢかよ」
「本人は元気だって言ってるけど、かなり無理してるし…」
「どんな状態なんだよ」
「歩くのも微妙」
「う…そ……だろ」
まともに日常生活すら
……送れなくなっていた