Once again
その友達はほんの少しでもいいから
気分的な事だけでも元気づけたいと…
蘭の好きなコンサートに
連れてってやりたいと…
今年に入ってから
チケットを取ってやって
「でも…多分ムリっぽい」
コンサートがある7月までに治る確率は
…限りなく低い状態だと
「でも蘭、めちゃくちゃ前向きで…」
今回は行けないけど
いつか必ず…
「逆にあたしのがゴメンとか…言われちゃって…全然蘭は…悪くない…のに」
「……」
電話の向こうの声は今の蘭の状態を
涙を堪えながら俺に…
「去年一緒に…七夕した時に……願い事した…んだよ」
「…なにを?」
「今一番逢いたい…人に…来年逢えますようにっ…て……2人で書いた…短冊にっ…」
「そっ…か」
「だから…あの子っ……あたしにゴメっ…て」
いつも笑顔の奴だった…
いつも相手の事ばかりを考える奴だった…
いつも俺を一番に想ってくれてた奴だった…
「なんで蘭がっ…こんな辛い思いしなきゃなんないのよっ…」
「……だよな」
「あの子には一番…幸せになって欲しかったのにっ…」
「………」
やっぱり俺は間違ってたんだと思った…
好きだからこそ
何よりも大事にしなきゃいけなかった…
離れてる距離なんか
会えない時間なんか
そんなの…
「本当…ごめん」
「言う相手っ…違っ…」
「……わかってる」