元ヤンキー弟の後輩~最愛の人~


喫茶店に行くともう貴志が来ていた






彩姉との別れから電話では話したけど一度も会っていなかった






貴志の座る席に近づくと俺の姿を見つけて直ぐに立ち上がり深々と頭を下げた






「貴志…頭上げぇな。久し振りやな。元気やったか?」






「龍也さん‥俺‥彩さんを傷つけてしまって‥何てお詫びしたらいいか‥本当にスミマセンでした」






貴志は一度上げた頭をもう一度深々と下げながらそう言った






「別に俺に謝らんでええよ‥お前と彩姉のことなんやから‥彼女とは一緒に暮らしてるんやろ。上手くいってるんか?」






「いえ‥妊娠してるって言うのは彼女の嘘で‥それが分かってすぐに彼女は自分の家に帰りました。今度こそちゃんと別れました」






「‥そうやったんか‥」






「彼女‥彩さんにも悪いことをしたって反省してました」






「そうか‥なぁ‥貴志。お前はまだ彩姉のこと‥」






「今でも好きです。離れたら余計に俺にとって彩さんの存在が大きいことに改めて気付かされました」






「それやったら‥」






「ホンマやったらすぐにでも逢いたい‥でも彩さんのことを傷つけてしまった俺が今更どの面下げて‥」






貴志はそこまで言うと黙ってしまった






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