元ヤンキー弟の後輩～最愛の人～

お母さんが座ったところで私は喋り始めた






「お母さん‥お母さんに聞いて欲しいことがあるの‥」






「何？どうしたの？」





「‥私‥今ね。お腹の中に貴志くんの赤ちゃんがいるの。一人で産んで育てようと思うの」






その後お母さんに今までのことを話し貴志くんとは結婚出来ないことや一人でもどうしても産みたいことを一生懸命話した






お母さんは途中で口を挟まず黙って聴いてくれた






そしてゆっくり口を開いた






「彩‥一人で赤ちゃんを育てることがどれだけ大変かは分かってるわね。それだけの覚悟が貴女にあるの？」






「‥うん。どんなことをしてでも産みたい‥」






「そう‥分かったわ。だったらすぐにでもここへ帰って来なさい。」






「‥お母さん‥」






「そうね‥紗香の言う通りここへ帰ってくる方がいいわね。一人で赤ちゃんを育てる大変さを紗香が一番分かってるものね」






「私は大変だったけど彩と龍也がいたから今まで頑張って生きてこれたと思ってる。産んで良かったと心から思ってる。だからおろしなさいとは言えないわ。でもホンマやったら貴女には普通に結婚して幸せになってほしかった‥私みたいな苦労はさせたくなかった‥」






「お母さん‥ごめんなさい」






「彩‥おばちゃんも出来る限りのことはするからね」






「早苗おばちゃん‥ありがとう」