∞嘘∞

FULLDiamond

重厚なそのワッカは
疎い俺にもすぐにわかった。

とても高価なんだって。


頭の中で計算する。

残高は一気に減り、終わりを迎えるまで秒読みになるんだと悟る。

でも

「うん、いいよ。」


一つでも、彼女と居た事の証が得られるなら
もうそれでいいや。

そしてやっぱり笑ってカードを出した。


彼女の表情に
ほんの一瞬曇りが見えて


ああ、彼女も終わりに勘づいたんだと理解した。
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