∞嘘∞
俺の親は東京生まれの埼玉育ち。
標準語の俺は小さい頃、よくいじめられた。
その度、がき大将のイノウエが現れては助けてくれた。


そんな懐かしいシャボン玉のような淡い思い出も
大人になった今、パチンと割られる事が少なくない。


「もちろん、ノゾミの誕生日やからセッティングしたんやんか!」


電話口から軽快な声は濁流のように押しかける。

しぶしぶ了承した俺は、ため息まじりにタバコに火をつけた。
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