手-hand-

優しさに甘えてる

当たり前に慣れてる

当然のように思ってる


全部を許してくれる存在になってた歩夢の気持ちも





「は?お前どこにいんの?」

『飲み会』

「つーか、聞いてねぇし…何だよ、飲み会って」

『別に急だったし、人数合わせで呼ばれただけだから』

「…とりあえず帰ったら連絡しろよ」

『…わかった』





嫉妬されたりするのが
ウルさい面倒くさい…


自分は信用してもらえてないとしか思えなくて





『何したっていいじゃん…どーせ1人なんだし』





会いたい時に会えない
傍にいない歩夢が悪い…


自分が心配されてるコトを忘れて責めるだけで





『もしもし?帰ってきた…今』

「…楽しかった?」

『は?何それ』

「別に…つーか、俺寝るわ」

『あっそ、おやすみ』

「…おやすみ」





伝わってこない気持ちにイラつく…


すれ違いばかりの会話に嫌気がさして





『言いたいコトあるならハッキリ言ってよ』





その見えない優しさが

この慣れた当たり前が


当然のように許してくれてた歩夢が悪いって



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