生徒会長のキッス♪
あたしは土下座をしようとする奈都をくい止めた。
まったく……
「でもさでもさ?さっきから美桜が言ってる“神尾仁”って本当にあの仁様なの?」
疑いを持った目で奈都があたしをじっと見てきた。
「ほんとだよ。生徒会室に入ったら“生徒会長特別席”みたいな席に座ってた人自身が自分のこと“神尾仁”だって名乗ってたもん。」
「あー……それは…おそらく生徒会長っていう意味だろうねぇ……」
奈都はがっくりと肩を落としていた。
「ってことは………仁様は裏表があるお方なの~!?」
「あぁ。うん……そうらしいね。」
奈都ごめんね。
奈都の落ち込みようからあたし、奈都の“神尾仁”像を壊してしまったみたい。
たぶん奈都の中で神尾仁は“様”を付けてしまうほど尊敬(?)してたんだよね。
なんか……ごめんね。
あたしは心の中で奈都に謝っていた。
あたしがこんなことを思っていた瞬間。
急に奈都の顔が上がった。