生徒会長のキッス♪
そんなことも気にせずあたしは話し続けた。
「神尾仁と陽さんは物じゃないよ。人だよ。みんなの物?そんなの言いがかりでしょ?ただ自分達が構ってもらえないからそう言ってるだけでしょ?」
またシーンとした雰囲気になる。
誰も口を開こうとしない。
さっき殴ってきた先輩は腕を静かに下げ始めていた。
「………違う……」
成美先輩の微かな声が聞こえてくる。
「仁は……あたしを構ってくれないわけじゃない…………仁は……優しいんだよ?」
まるで壊れたかのように成美先輩が話す。
「仁は……仁は………仁はぁぁぁぁぁぁぁ!!」
そして今度は急に立ち上がり、あたしの方に右手を上げながら走ってくる。
あまりの速さに間に合わないと思いあたしは目を瞑った。
来る。
叩かれる。
蹴られる。
殴られる。
そう決心しながらあたしは心の準備をしていた。
でも、