【実話】星になったキミへ
郁は、ただ黙って私の傷跡を見ていた。



「郁…?」



「りん…淋しかったよね、愛してほしかったよね…」


「うん…そんな想いで切ってた。」



「私も一緒…ほら。」



私は、郁の腕を見て、愕然とした。


それは、切る…と、いうより、『彫る』の部類かもしれない。



六亡星や、ハート、十字架…



もちろん、横に切っているのもあったが、形を型どっているものが目立つ。



そして、一番私を驚かせたのが、



「ここの傷、最近じゃん!?」


「……………」



「なんでよ!?ここには、切れるものないでしょ!?」


< 114 / 315 >

この作品をシェア

pagetop