【実話】星になったキミへ
私は、携帯を持つと、名刺に書かれている番号にダイアルをした。



トゥルルル…トゥルルル…



「はい。マドンナです。」



電話に出たのは、女の人。


「あの…以前、ミスティというクラブで引き抜きされたコトがあるんですけど…」


「ミスティ…ああ、覚えてますよ。確か、桜さん…だったかしら?」



「そうです。あのー。どんなコトするんですか??キャバではないですよね??」



「………直接会って、お話しましょうか??」



「……あ、はい。」



ためらいはあったが、お金がいる。



「じゃぁ、光町の『ゴルフ』って喫茶店わかりますか??」



キャバ時代、よく行ってたお店だ。



「はい…わかります。」



「時間は何時ごろが都合がいいですか?」



「何時でも大丈夫です。」



「じゃぁ、12時に待ってますね。」



「わかりました。よろしくお願いします。」



ガチャ…



電話を切った途端に、肩の力が抜けた。



゙もしかしたら、これで車検代がどうにかなるかもしれない″



という、安心感と、



゙未知の世界に足を踏み入れる恐怖感″



と、入り交じっている。



となかく、会って話をしてみない事には始まらない。


そして、私は、もう引き返せないんだ…
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