【実話】星になったキミへ
「もう少し、浸かってようよ。」



健に抱きしめられる形で湯船に浸かると、健は私の体をいじってくる。



私は、健の手を叩くと、


「もう!健!後からでしょ!?」



それでも、健は私の首筋にキスをしてくる。



「うん。後からだけど、これだけは、させて…。」



そう言うと、健は私の胸元に吸うようにキスをした。


「あー!後付いちゃったじゃん!」



「いーじゃん!りんは俺の物って印。それとも、他に裸見せる奴いるの??」



ドキッ…。



「別にいないけど…。」



「ふーん。なら、いいけど。りんなら、喜んでくれると思ってたのに…。」



「うれしいよ!健、いつもキスマークとか嫌がるのに、急にこんなコトするから、びっくりしただけだよ。」


「ならいいけど…。りんに、愛の印を付けたかったんだ。」



そんなコト言われると、のぼせてきちゃうよ…。



「……あ、上がろうか。ご飯、来る頃だよ。」



「……ああ、そうだね。」



ホントに、嬉しかったんだよ、健。



ただ、今の私には、このキスマーク、愛の印を付ける資格がなくて…。



健に、愛される資格もなくて…。



ちょっと、悲しかったんだ。
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