【実話】星になったキミへ
「え…と。実は、キャバやってんだ。」



これが、一番無難だと思った。



他に思いつかなかった。


゙嫌われるかも…″



と、思ったが、健の反応は意外なものだった。



「なーんだ。キャバかぁ。ハハ…、よかった。俺さ、金回りがいいから、体売ってんのかと思ってた。」



ズキッ……。



心が痛む。



゙ホントは、売ってんだ。ごめんね、健。嘘ついて…。″


「でもさー、りんがキャバやってんなら、人気あるんじゃない??」



「うん。そこそこね。」



「今度、店に行っていい?」


それは、ヤバイ!!



「えー!?恥ずかしいよぉ。来ないで!」



「うそ、うそ。俺がキャバなんか行くかよ。」



「だよねー。健は、キャバでお金使う位なら、友達と焼き肉だもんねー。」



ホッ。よかった。



健が、キャバ嫌いで。



「でも、安心したよ。じゃぁ、また、俺と付き合ってくれますか?」



「え…。いいの…?」



「俺の方こそ。こんな俺で良ければ、もう一度、俺の彼女になって下さい!」



そう言うと、健は私の手にキスをした。



私は、こぼれる涙をおさえるコトが出来なかった。



「返事は聞かせてくれないの?」



私は、首を横に振ると、健に抱きついた。



「けん、けん。大好きだよ。」



凄く嬉しかった。



けど………。



私のついた嘘で、健をつなぎ止める形になってしまった。



これは、偽りの愛かもしれない。



私が、体を売ってるコトがばれてたら、健は付き合わなかっただろう。



後ろめたい気持ちはあった。



でも、嬉しさの方が大きかった。


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