【実話】星になったキミへ
8月17日、今日は健の誕生日だ。



妊娠してから、色々と理由を付けて、健と逢うコトを拒んできたが、今日は逢わずにはいられない。



私は、ケーキとプレゼントを持つと、健の家へと向かった。




゙顔、合わせづらいな…″


ピンポーン…ガチャ。



「よっ!りん。さしぶり。」


「さしぶり、健。」



「入っていいよ。」



「おじゃましまーす。」



私は、健の部屋に入ると、ソファに腰かけた。



「健、お誕生日おめでとー。」



「サンキュッ。」



「ケーキ買ってきたんだ。」


「ありがと。今食べようか。」



「うっ、うん。そだね。」



ホントは、あまり食べたくない。



食べたら、気分悪くなるかも…。



健は、ナイフとお皿を持ってきた。



丁寧に私の分まで切り分けてくれる健。



見てるだけで気分が悪い。



「いただきまーす!」



そう言うと、健は、美味しそうにケーキを食べ始めた。



「うんッ!おいしー。りんは、食わないの??」



「あっ、うん。食べるよ。」


そう言うと、私はケーキを食べようとした。



その時、



「うっ!」



私は、手で口を押さえると、トイレへとダッシュした。



「おいっ!」



後ろから、健の声が聞こえる。



が、それどこじゃない!


その言葉を無視し、私はトイレで吐いた。



スッキリして、健の所へ戻ると、健は、食べかけのケーキを置き、難しい顔をして私を待っていた。



静かに横に座る私。



沈黙が流れる。



どの位、沈黙が続いただろうか。



耐えきれずに、私が話そうとしたら、健から切り出してきた。
< 225 / 315 >

この作品をシェア

pagetop