【実話】星になったキミへ
「………りん、妊娠してんじゃないの??」



「…………。」



私は、何も言えない。



゙だって、健の子供じゃないんだよ?″



「りん!黙ってたらわからないだろ!?」



「…………。」



「りんってば!」



私は……



「う……ん。してるみたい。」


「ハアー。マジかよ…。」



でもね、健。



健の子供じゃないんだ。


だから、そんなに落ち込まなくても…。



「そっか。俺とりんの子供か。可愛いだろうな。」



「え………。」



「りん、産めよ。」



健の予想外の言葉に戸惑う私。



「え……と。」



健は、真剣な表情をすると、



「産んでくれ。」



「健……。」



私は、泣き出してしまった。



この子が健の子供なら、どんなにその言葉が嬉しかったことか……。



健の子供じゃないの…。


違うの…。



私は、健を裏切ったの。


後悔でいっぱいだった。


これが、私の罪…。



「りん。泣くなよ。二人で育てていこう。なっ!」



「健……。」



自分の子供だと思って、目の前で喜んでいる健…。


「最高のプレゼントになったよ。ありがとなッ!りん。」



「………。」



だから、違うの。



私は、涙を止めるコトが出来なかった。



と、同時に、健にホントのコトを言う勇気がなかった。


こんなに喜んでくれている健に、私は、何も言えなかった。

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