【実話】星になったキミへ
私は、手で顔を覆ったまま、泣いていた。



「ハァー…。マジかよ…。俺じゃ、ダメだったのかよ…。」



違う!



そうじゃない!!



大声で言いたかった。



でも、私には、そんなコト言う資格なかった。



私は、薬指から指輪を外すと、



「ごめんなさい。だから、私は、コレは受け取れない。」



「りん!何でだ!?何でまこちんとっ……!?」



「ごめんなさい…。」



「何でだよっ!?」



「ごめんなさい…。」



何も言えなかった。



何を言っても、私のした罪は消えない。



「くそっ!愛してたのに!!」


そう言う健の頬には、涙が流れていた。



私は、初めて健の涙を見た。



私達は、二人で泣いていた。



そして、心に傷をつくった。



「ちくしょーッ!」



健は、指輪を投げると、部屋から出て行った。



私は、出ていく健の背中をただ、見送るしかなかった。



そして、また私の運命の歯車は狂っていく…。


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