【実話】星になったキミへ
次の日、私は、レイとの約束を忘れ、深い眠りの中にいた。



この地でも、眠剤は欠かせなかった。



すると、うるさい位、枕元で電話が鳴っている。



゙ん、もう!誰よ!?″



半切れの状態で、電話を取る。



「もしもし!?」



「もしもーし。レイだけど…。」



ガバッ。



「レイ!?」



慌ててベッドから起き上がる私。



「もしかして、約束忘れてる??」



そうだった。



すっかり忘れてた。



「ゴメン!今起きた!」



「クスクス…。下に着いてるよ。」



「ゴメーン!急いで準備して降りて来るから。」



私は、電話を切ると、メークもそこそこに部屋を出た。



下に止まってるのは、なんと、『ベンツ』!!



しかも、大きい型だ。



゙何!?もしかして、金持ち!?″



私は、恐る恐る近付くと、窓ガラスが開いた。



「おはよー。姫。」



「おはよー。レイ。」



「乗って。」



「あッ。うん。」



私は助手席に乗ると、



「凄いねー。ベンツなんだ。」



「全然。車が好きなだけ。」


「もしかして、レイって金持ち!?」



「アハハ。変な期待しないで。普通だよ。」



普通でベンツ、乗れるんか……。



「じゃぁ、行きますか、姫。」



「はーい。」



いつの間にか、レイは、私のコトを、『姫』と、呼ぶようになっていた。



私達は、思いっきり楽しんだ。



レイといるのは、楽しい。


イヤなコトを、忘れさせてくれる。



そして、『紳士』だ。



まるで外人さんといるみたいに、何でも、私を優先してくれる。



これか、『レディーファースト』と、いうのだろう。

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