【実話】星になったキミへ
「りん、俺さ、サイテーだよな。」



「え……??」



自覚あったの!?



「俺、りんのコト、愛してるって言っときながら、未だにかすみのコト、引きずってて………。りんのコト、なじる資格ねーよ。」



「健………。」



私は、そっと健を抱いた。


だって、そんな想い、切なすぎるよ。



哀しすぎるよ。



「健は、サイテーじゃないよ。」



「りん……。」



「今日は、私が健を抱くよ。」



私は、子供のようになっている健を抱いた。



優しく愛撫した。



健は、体を私に委ねていた。



ねぇ、健。



どんなにか、辛かっただろうね。



私が健の立場だったら、生きてないよ……。



よく、頑張ったね。



愛しい健……。



この人の全てが、私のモノになれば、どんなに幸せか。



でも、今日わかった。



それは、不可能だ。



いや、ずっと前からわかっていたのかもしれない。


例え、かすみちゃんが結婚しようと、健は、忘れるコトはないだろう。



かえって、もっと、尊い、崇高な存在になってしまったのかもしれない。



この日は、すっかり、レイのコトは、忘れていた。



私は、一晩中健を抱いていた。



そして、健への愛を再認識させられた。



健以外の人なんて、私には無理だ。



と、同時に、かすみちゃんの存在の大きさも再認識させられた。



それでも、健を愛してるよ。



例え、私の存在が二番目でも、愛してる。



レイ、ごめんなさい。

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