【実話】星になったキミへ
家に帰ると、私は一人、部屋で泣いた。



苦しいよ。



健の隣にもういれないなんて……。



哀しいよ。



健の顔をもう見れないなんて……。



頭がおかしくなりそうだ。


私は、何と引き換えにしても、この子を捨てるコトはできない。



どうしようもない想い。


そして、私は、カミソリを握っていた。



゙死にはしないよ。ただ、切りたいんだ……。″



妊娠してから初めてする自傷。



私は、健のコトを想いながら、切った。



心の傷が、せめて軽くなるように……。



腕に想いを刻みこむように……。



やっぱり、一番好きな人とは結ばれないんだね。



身をもって、知ったよ…。


そして、私は、血まみれで思っていた。



健がそう言うのなら、結婚してやる…と。



当て付けてやる……と。
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