【実話】星になったキミへ
「りん。」



「何?」



「俺とまた付き合ってくれるか?」



「え……??私でいいの?」



「りんがいいんだ。りんじゃなきゃダメなんだ。いつも隣にいて欲しい。」



「………健。」



私は涙をこらえるながら、タンスをごそごそし始めた。



そして……



「じゃぁ、コレ、着けていいの?」



「それは……。持っていてくれたのか……??」



私が取り出したのは、あの時、健から貰った指輪。


健が投げつけて行ったあの指輪。



「今、着けてやるよ。」



そう言うと、健は健斗をベッドに寝かせた。



「健斗が証人だな。」



「そうだね。」



私達は、健斗の前で愛を誓った。



今度こそ、この愛は永遠だと思った。



遠回りしたけど、やっとたどり着いた愛。



私が28年間望んでいた幸せは、ここにあった。



何でもっと早く、この手を信じなかったんだろうか…。



健斗という宝物もいて、健もいて。



私は、幸せの中にいた。
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