【実話】星になったキミへ

母親失格

私は健を喪ってから、部屋から出るコトはなかった。


食欲も全くなかった。



健斗のコトは、母に任せきりだった。



部屋でカーテンを閉め切り、健から貰ったCDをエンドレスリピートにしていた。


泣き暮らしていた。



何が悲しいのか……。



健がいないなんて、考えたくなかった。



『死んだ』



なんて思うと、きっと、発狂していただろう。



健斗の一歳の誕生日も、私は何もしてやらなかった。


そこまで考える頭がなかった。



母は時折様子を見に来ていたが、私は物を投げつけて追い返していた。



何で、もっと健を愛さなかったんだろう…。



何で、もっと一緒にいなかったんだろう…。



何で、もっと健に抱かれなかったんだろう…。



後悔ばかりが募る。




私が外に出るコトといえば、病院。



もちろん、精神科。



治すためじゃなく、狂うために……。



病名も、『鬱病』から、『ボーダーライン』へと戻っていた。



更に、『ボーダーライン』の上に、『鬱病』、『適応障害』。



病名が三つついていた。


私は、健の『死』を実感したくなかった。



そして、とても強い薬を出して貰っていた。



その為に、かかりつけの精神科を変わった。



自分の望み通りの薬を処方してくれる病院へと。



私の当時の処方内容は、


『フェノバール』、『イソミタール』、『ブロバリン』、『ベゲタミンA』、『ドラール』、『サイレース』、『ハルシオン』、『マイスリー』、『デパス』。


これは寝る前に一気に飲む薬。



自分でも、ヤバイのはわかってた。



でも、これを飲むと、眠りの世界に一気に行ける。


そして、起きてる時も頭が全く回らない。



廃人同然だった。


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