【実話】星になったキミへ
覚えてる限り、起きてる時は『瀉血』をしていた。


ペットボトルに溜めた血を眺めるコトが唯一の楽しみだった。



瀉血は、私の中で神聖な儀式になっていた。



゙どれ位血を抜けば、健に逢えるだろう。近づけるだろう。″



そう想いながら、していた瀉血。



気がつけば、ヘモ値(ヘモグロビン)は、4以下になっていた。



当然ながら、鉄分の薬が処方された。



そして、体重は、25キロ減。



元の体型まではいかないが、普通体型まで落ちていた。



゙健。健がいたら、こんな私を叱ってくれる??″



健に逢いたかった。



まだ、嫌われてる方がマシ。



生きていてくれるなら、二度と逢えなくても構わない。



でも、もういない。



この世の人ではない。



゙幽霊でもいいから、逢いたいよ。″



薬で頭の感覚が麻痺し、私は、援交をするようになった。



独りでいるコトが、今度は淋しくなってきたのだ。



お金も稼げるし、一石二鳥だったのだろう。



健斗のコトなんて、全然考えてなかった。



保育園の送迎も、母がしていた。



当然、仕事も辞めていた。


次第に、健斗は私を見ると、人見知りをするようになっていた。



あまり、顔を会わすコトがないので当然だ。



私が抱こうとすると、大声で泣く健斗。



でも、感情のない私は、


゙別にいいや。″



と、他人事だった。

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