【実話】星になったキミへ
それからの、私の回復ぶりは目覚ましく、医師も驚いていた。



三ヶ月予定の入院が、一ヶ月ですんだ。



そして、病名も、『鬱病』だけになっていた。



「よくここまで頑張りましたね。短期間でここまで良くなるとは、思ってもみませんでした。これからも、通院だけはして下さいよ。」



そう言われ、私は退院をした。



家に帰ると、父と健斗が遊んでいた。



゙健斗が立ってる……。″


私の記憶には、ハイハイをしている健斗しかいない。


健斗に近づく。



健斗は、



『誰?この人?』



って顔をしている。



私は、



「健斗ー?」



健斗は、じっと私の顔を見ている。



もう一回。



「健斗ー?」



すると健斗は、



「はい。」



と、私に持っていた飛行機を渡してくれた。



飛行機を受けとると、涙が溢れてきた。



まだ、『ママ』とは、認識してないだろう。



だけど、健斗のその行動に、成長を感じたり、優しさを感じたりして、感極まってしまった。



可愛い健斗。



私は、健斗を抱きしめた。


さすがに、嫌がって泣いたが、私は決めた。



健斗のために生きよう…と。



この小さな手を離さない…と。

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