【実話】星になったキミへ
「でも、どうやって生活していくの?」


「二人で働けば大丈夫だよ!」


「二人で働くにも限界があるよ!妊娠中と、産んでからしばらくは仕事できないでしょ」

そこまでは、考えてなかった…


「何で!?愛があればやっていけるじゃん!」

「そんなの、きれいごとだよ…実際はお金がないと生活できないんだよ!」


「なら、うちに住めばいいよ!」


「そしたら、意味ないだろ!りんはお嬢様だから、世の中をわかってないんだよ!生活していくのがどんなに大変な事か、わかってない!」


「何それ!?堕ろせってこと!?」

…………………………………「俺は、産むべきじゃないと思う」


「何でよ!?」


「俺には、結婚できるだけの、経済力も能力も責任もない。第一、産まれてくる子供がかわいそうだよ!!俺は貧しい家庭で育ったからわかる…俺みたいな子供はつくりたくない。りんに、子供産ませても俺には育てる自信ない…ごめん、俺には無理だ…ごめん」


私は、泣くしかなかった。


なんて悲しいんだろう。

何で、愛する人の子供を産む事ができないんだろう。


何で…何で…


気が狂いそうになる。

泣きじゃくってる私に、


「俺には、どうしても無理だよ。りん、ごめん。出来る事と出来ない事がある。30歳まで待って。そしたら、結婚しよう。その時にまた、赤ちゃんつくろう。」


結婚しよう、と言う言葉は嬉しかったが、その場合の気休めにさか聞こえなかった。


次に赤ちゃんが出来ても、この子とは違う子だ…

でも、もう何を言っても無駄だった。


確かに、赤ちゃんを幸せにする自信まではなかった。


赤ちゃんへの健の思いやりだったのかもしれない…


「……わかった。明日、同意書持ってくるからサインして…」


「うん…本当にごめん…」


この時、私は思った。

もう、健には゛何も期待しないよ…″


それは、とても悲しい寂しい決断だったかもしれない…
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