【実話】星になったキミへ
「りん、説明しろよ!何で、こんな事するの!?」


「ん…と。説明できないんだ…ただ、切ってると落ち着くの。」


「何だよ!それ!!」


「だって、本当なんだもん!!夜になると、どうしようもなく堕ちるの。健がいない世界で、私が生きてるって実感できるものは、リスカしかなかったんだもん!!傷跡すら、愛しいよ。私は、恥ずかしい事だなんて思わない!!」


力の限り、健に今までの思いをぶつけた。


健に戸惑いの色が見える。


「…りんがそこまで言うなら、わかった。だけど、俺はもうりんとは付き合えない。」


「どうして!?私がメンヘラだから!?」


「差別するわけじゃないけど、俺は普通の彼女がいいんだ。リスカするような女とは付き合えない。」


「………もう、無理なの?」


「うん、無理だよ。」

「都合のいい女でいいから!!」


「ごめん、それも無理だ…俺は自分の事でいっぱいいっぱいなんだ。他人の面倒まで見る余裕はないよ。りんも、いい人見つけて…」

「健、嫌だよ!健が居なくなったら、私死んじゃうよ!!」


はっ!!

最低な事を言ってしまった。


これじゃ、脅し文句だ。


でも、…本音だった。

「りん…俺は」


「嘘嘘!健が居なくなった位で死ぬわけないじゃん!!ごめんね、健の困る顔見たかっただけ。あー、もうこんな時間!私、帰るね!!」

「りん、ごめんな。いい人見つけろよ!」


「うん。健もね!私以上の女なんていないと思うけどね」


精一杯の強がりだった。


健は、それをわかっていたのか、ただ静かに微笑んでいた。
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