【実話】星になったキミへ
隣の部屋に行くと、大勢の患者が詰めかけていた。


何やら、体温計を脇に挟んでいる。


終わったら、看護婦さんに言いに行き、昨日の尿の回数、便の回数を言って、脈を計ってもらっていた。


゛これを、今日から毎日するのか…″


私も、検温を済ますと急いで朝ごはんを食べ、電話が置いてある所まで行った。


すでに、長蛇の列ができている。


゛うわっ!!こんなにいるの!?″


今日は日曜日…と、いうこともあってか、かなりの人数だ。


私は、待っている間にも、健への言い回しを考えていた。


゛ストレートに言おうか…″


゛遠回しに言おうか…″


色々と考えているうちに、私の順番が来た!

「ガチャ、ガチャ…」

ダイヤルを回す手が震える。


゛健、電話取ってくれるかな…″


「トゥルルル、トゥルルル…」


呼び出し音が頭に響く。


「トゥルルル、トゥルルル…」


やっぱり、出ないか…

「はい、もしもし」


゛出たー!うわー!どうしよう!!″


「あっ、もしもし、健!?」


冷静を装おう私。


「なんだ〜。りんかよ。どうして、公衆電話?」


「えっと…今ね…、入院してるんだ。」


「え…?だって、医者は入院の必要ないって…」


「うん、だからね、お医者さんの勧めで、精神科に入院してるの。」


゛うわー!言っちゃった!!″
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