星の方舟
握った手を
ゆっくりと開く。

汗が滲んでいた。

ベッドから足を下ろす。

鮮明に脳裏に焼き付けられた光景は、目が醒めた後も不気味な余韻となりカイを苦しめている。


「たかが夢だ…」


「夢……なんだ……」

あの光景は何だったのか。悪夢から醒めれば、それが夢で良かったと思うものだが、
カイは自問自答していた。
ちいさな丸い窓の外には、無限の砂漠が拡がっている。
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