今川焼
 
恵という悩みの種が去ったからなのか。

それとも俺の説得に甘んじたのか真意は定かでないが…




…俺を差し置いて全力で遊ぶ純がいる…




…さっきまでキレとったやんけ。


「お前もやんないの?」

「やらん。俺は一回50円の格ゲーにしか手を出さない倹約家だからな。」

「ケチなだけだろ。」

「うるせえユルマン。」

「ユッ、ユルマン!?」

「財布の紐ユルユルマンの略だ。」

「浪費家と言ってくれまいか。」

「お前ぜってえ結婚してもギャンブルで家庭崩壊するタイプだな。」


惜しみなく金を注ぎ込む純を見兼ねた俺は一人店内を散策した。

興味を惹くゲームはいくつかあったが、気分的にプレイする意欲が湧かず他人の様子を見て回るだけだった。


一通り一周したので純の元へ戻ろうと思い早足になると…




「ん?」




…思いがけない人物に目が止まった。


「おい!」

「おわっ…と、何だよいきなし。ビックリしたなあもぉ…」


吉本は椅子から飛び上がり驚いてみせた。
 
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