今川焼
熱中する純を置き去りに店を出た。
「いいのか?」
「何が」
「友達、置いてけぼり」
「ああ、いいよ」
「遊んでたんだろ?」
「いや、たまたま会っただけ。それに……アイツやりだしたら閉店まで止まらない人種だから」
「俺と同じ人種か」
今日という日だけで、義心を見る俺の目は大分変わったように思う。
いつも違う顔を見せるコイツは……
……やっぱり何考えてんのかサッパリわからん。
食えない奴だ。
「これって帰宅コース?」
「何それ、俺と遊びたいってこと?」
コイツぜってえ友達いねえだろ。
「俺はヒマだし。全然いいけど……
つまんねえと思うよ。俺と居ても」
意外な一面を垣間見せた。