堕天使の理由
アイツが残した足跡を、アイツが生きているという証を
紙切れや写真なんかじゃなく
あたしの全てで。
知っていますか?分かりませんか?
アイツは、もう忘れたくないんです。
自分が生きている感覚を、同じ空気を吸う仲間を
忘れられますか?
ただ一つだけ
「忘れることは、怖くない」と。
「忘れることさえ、もう怖くない」と。
「忘れてしまう、お前等が居ないのが恐い」
って、あたしの片割れが呟いたんだ。
全てにはみ出しても、見つけられた唯一無二の片割れは
背中に、世界を背負って歯を食いしばって
力強く立ち上がっていく、堕天使。
我が片割れは堕天使である、