堕天使の理由
田中は笑いながら、腕時計にチラッと視線を向ける。
なんだかんだ話してると、30分くらい時間が経ってて、
「じゃあ〜もうそろツナミ来るし、帰ろっかな。」
椅子から立ち上がって、背伸びをする、
ツナミから今から行くとか、そんなメール来てないけど
ガキでも分かる、田中にだって仕事がある。
「おー分かった分かった、気ぃ付けろよ」
カバンを持って田中と一緒に部屋を出る。
田中が鍵を閉めると、
「ショウに振られたら、一番に田中に電話するよ」
若干前を歩いて、田中に振り返る。
「ははっ大丈夫だよ、まあ何かあったら電話してこいな」
「うん、じゃあ。あたし3職寄ってくから、また来るね〜!バイバーイ」
田中に手を降ると3階への階段を登りながら、携帯を開く。
ツナミに田中と話し終わったから、迎えに来て大丈夫だとメールした。
3階に着くと教室には誰も居なくなって、壁に貼り付けられたプリントが風に揺られてパラパラ音がしてる。
カーテンは夕方の陽に当てられて、影を作ってる
夕方の教室ほど、寂しいもんはない。
3職をノックすると、
「田島だろ〜」
原口の声がする、