堕天使の理由
家に入ると、すぐ部屋に入って
ベッドにうつ伏せになった。
考えるのはショウのことばかりで、別れてからの体育祭の日は。
あたしの見ていた限りでも、誰から見ても
ショウの様子は変だった。
走りが得意なショウは、50メートル走とリレーどちらにも出ていたけど
50メートル走は、スタートダッシュでボロボロだった。
足が滑ったのか、最下位だった
ショウならスタートダッシュが遅いとしても、巻き返せたはずだった
リレーには、アンカーとして出ていて
これまた下から二番目で終わって、クラスの連中は文句を言うどころか
ショウを心配して、肩を叩いて励ましていた
そんな優しさにも、ショウは苦笑いもせず
俯いたまま小さく頷いていた。
そんなショウを見て、あたしと付き合っていたことを知っていた奴は
次々に話を聞きに来た。
「別れたのか?」とか「喧嘩したのか?」
聞かれる度に、言葉を濁すあたしに
別れたのが分かったんだろう。