堕天使の理由


着信の相手はショウだ──



戸惑いがちに通話ボタンを押した。



「……も、しもし?」


何を言われるのかと不安になって、声は小さく響く


「もしもし?俺だけど」


想像していたよりも、声のトーンは明るく話し方も軽く感じる、


「うん、どうしたの?」

「いや〜何してんのかなって」

「今はねー家に居るよ」

「マジで?最近学校来てないっしょ?」

「んー3年になってから、ほとんど行ってないよ」

「だよな〜あんま見ないし」


なんだか、あたしとショウが付き合っていたことが

なかったかのように聞こえた。


まるで、一緒に居なかった。みたいに、


あの時間がなかった。と、言わんばかりに、
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