【超短編】暗闇の果て
「ですが、この村にはあのような方はいらっしゃりません…
きっと、遠くからお通いなんですね…」



そう、だから夜中にいらして朝方お帰りになるんだわ…



何も知らない…



私は何も



「さあ、お食事をいただきましょう」



ひのとは私に付く代わりに、私と同じ食事を摂ることを許されている



私専用のお付き



他のお付きは、何人かいるだろうが、覚えるほど話した事はない…



「姫様、今日は久しぶりのお天道様です。ここ最近は、竜神様の機嫌が悪かったから…」



「そう…」



確かにいつもより部屋が暖かい



「今日は村へ出て、何かいただいて来ますね。姫様も少しはお散歩されてください」



「ええ…そうするわ」



ひのとの元気さに救われていた



ひのとがいなければ、私は一人



この離れに



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