例えば、それが奇跡なら…
柚葉は一人になった途端にあの男が気になりだした。

そ〜っと窓に近づいて中庭を見た。

まだ白い車はあった。よく見ると軽四だ。

「仕事が遅いね〜。いつものオジサンならとっくに終わってるのに…。」

と、その時、さっきの男が戻ってきた。

「お!きたきた!頑張れよ、新人君!」

男は車のドアを開けようとした。が、またしても柚葉の病室を見た!明らかに笑顔で!
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