例えば、それが奇跡なら…
しばらくの四人の沈黙の後に、タケさんは快の肩に手をまわして言った。

「おい、快よぉ〜。お前は売店に仕事だろ〜?」

「そうですね!僕、行きますね!」

快は何事もなかったように病室をでていった。

タケさんも快につづいて出ていった。

病室にはうつむいた柚葉とトモエおばさんだけになった。

柚葉は快とタケさんを見ていなかった…。

出ていった事すら、あまり分かっていなかった。
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