例えば、それが奇跡なら…
「彼かい‥?」

トモエおばさんは優しく柚葉に聞いた。

「う、うん。」

「気になるの?」

「‥。」

柚葉は何も答えなかった。

「彼、私の事をすぐに分かってくれた‥。」

トモエおばさんはため息をつきながら言った。

「はぁ〜、寂しいね〜。」

「え‥?」

「私もタケさんも柚葉ちゃんの事、少しは分かってたつもりなんだけどね〜。」

「あ!ごめんなさい。そんなつもりじゃ‥。」

「アハハ。冗談だよ。」

柚葉は恥ずかしかった。
< 102 / 158 >

この作品をシェア

pagetop