例えば、それが奇跡なら…
柚葉は快の言葉を黙って聞いていて、何も言わなかった。

「悲しいよ‥。」

柚葉は思っていた感情が一気に出てきた。

「私ね、きっと治らない病気なんだと思う。」

「だからね、死ぬまで幸せに過ごしたいって思ってる。周りの人が私に遠慮してる気がするの‥。」

「何か隠してるんだろうなって‥。だってさ、お母さんも病気の事言ってくれないんだよ?」

快はただ聞いていた。

柚葉の言葉を一つ残らず。
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