例えば、それが奇跡なら…
「柚葉、また後で来ていい?」


「え…?あ、うん。いいけど…。」


快は何かを考えていた。

何を考えてるのかは柚葉には分からなかった。


「じゃあ、仕事してくるね!」

快は病室をでていった。


柚葉は黙って下を向いていた。


やっぱり…。

誰も分かってくれない…。

話なんて…、聞いてくれない。

聞いてもらっても嬉しくない…。


柚葉は窓から中庭を眺めていた。

快の車があった。

カーテンを閉めるとベッドに入った…。


世の中なんて…。
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