例えば、それが奇跡なら…
この病院は変わっていた。

病院が一体となって、お祭りをする。

みんなが楽しめるように工夫がされていた。

柚葉も以前に聞かされていた。

「柚葉ちゃん、飾り付けだよ。」

トモエおばさんは、嬉しそうに言った。

「タケさんも、朝から張り切ってるよ!」


お祭り…。

柚葉はあまり気が進まなかった。

自分がどうなるかも分からない。

自分以外にも、重い病気の人がいる。

楽しめる気がしなかった。

トモエおばさんは、柚葉の顔を見ながら言った。

「手伝ってね。大丈夫だから…。」
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