例えば、それが奇跡なら…
点滴はまだ終わらない…。

快は帰ろうともせずに窓から中庭を眺めていた。


「ここからだと、よく見えるね!」


「……。」


「お祭りの時は中庭も飾り付けされるんだろうね!」


「……。」


「ね、柚葉は‥」


「帰って!!」


病室の中に柚葉の声が響いた。
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