例えば、それが奇跡なら…

「いいかい？柚葉ちゃん。」


先生はゆっくり話しだした。

「柚葉ちゃん、病名はガンなんだ。」


「治る可能性は低いと思っていい。」


この言葉だけで柚葉には充分だった。


先生はさらに続けた。


「ただ、完治しないとも言いきれない。」


「諦めたらダメなんだよ。」


「治る可能性もある。普通の生活は難しいかもしれないけど、生きられる可能性はあるんだよ。」


「先生、出来る事は何だってしてやるつもりだから。」



その時、電話がなった。