例えば、それが奇跡なら…
「え、え〜っと、よく分からないの‥。」

柚葉はうつむいたまま返事をした。

一体、どれくらいの時が過ぎただろう。

次に言葉をだしたのは快だった。

「そっか…。分からないのか…。」

快はそれ以上聞かなかった。

柚葉は苛立ちがこみあげてきた。

何で私を怖がらせるの?

何で不安にするの?

何で…。

私は…、私は…。

その時、病室に誰かが入ってきた。

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